「疲労」はからだが休息を欲しているサイン。飲み物で効率よく疲労回復に効果的な栄養素を摂ってみませんか?
本記事では、疲労回復に効果が期待できる栄養素とおすすめのドリンクを紹介します。
疲労が蓄積するとどうなる?
私たち人間のからだは、生命を維持するために常にエネルギーを産生・消費しています。そこへ仕事や勉強、運動などの活動が加わると、さらにエネルギー消費量が増えて「疲労」状態になります。疲れを感じた時はからだが休息を求めているサインなのです。
疲労が蓄積すると、体力や免疫力の低下を招くだけでなく、原因不明の微熱や頭痛、不眠、気分の落ち込みなどが数か月にわたって続く「慢性疲労症候群」と呼ばれる状態になることも。心身に支障をきたさないようにするためにも、疲れを感じた段階で十分な栄養と休息をとることがおすすめです。
疲労回復のために摂取したい栄養素
ここからは疲労回復に効果が期待できる栄養素を紹介します。ただし、今回紹介する栄養素だけをとればいいわけではありません。常にバランスの良い食事を心がけ、疲れにくいからだづくりをしていきましょう。
糖質
からだの主なエネルギー源は糖質(炭水化物)です。エネルギー不足によって疲労を溜めないようにするには、糖質を含む炭水化物の摂取目安を参考にするとよいでしょう。
厚生労働省は、1日の摂取カロリーのうち50~65%を糖質(炭水化物)から摂取することが望ましいとしています。成人男性に必要な1日の摂取カロリー2,000~2,400kcalから計算すると、健康的なからだを保つには最低でも1,000~1,200カロリー分の糖質(炭水化物)を摂取する必要があります。
ただし、糖質だけを摂取すると血糖値が急激に上昇してしまうリスクも。そこで、おすすめなのが「ベジファースト」という食べ方です。食物繊維を豊富に含む野菜やキノコ類を先に食べてから糖質を摂ると、血糖値の急激な上昇を抑えられます。同時にインスリンの大量分泌も抑えられ、満腹感も得やすいため、ダイエットをしている方にも適しています。
ビタミンB1
ビタミンB群は疲労回復に欠かせない栄養素として知られています。なかでもビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する過程で欠かせない栄養素です。
ビタミンB1が配合された栄養ドリンクなどを取り入れるのもよいですが、食事としては、ビタミンB1が多く含まれる豚肉や豆類などを使ったスープがおすすめです。ビタミンB1は水に溶けやすい「水溶性ビタミン」のため、汁ごと食べられるスープなどにすると栄養分をしっかり摂取できます。にんにくや玉ねぎの香りのもととなる成分「アリシン」と一緒に摂ると、さらに吸収率が高まります。
BCAA
BCAAとは、必須アミノ酸「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」のことで、人間の体内では合成できない栄養素です。BCAAが体内に不足すると、代わりに筋肉を分解してエネルギー源に変換され、疲労感を覚えます。そのため、運動時や運動後にBCAAを摂取することで、筋肉疲労の軽減につながると考えられています。
BCAAはまぐろやかつおなどの魚類や鶏むね肉などに多く含まれますが、BCAAが手軽に摂れる粉末タイプのスポーツドリンクも販売されているため、飲み物から摂取するのもよいでしょう。
クエン酸
クエン酸はレモンなどの柑橘類や梅干しなどに含まれている酸っぱい成分です。クエン酸回路など、エネルギー代謝・エネルギー産生系にかかわり、疲労回復効果があることが期待されています。また、酸味による食欲増進効果も期待されており、夏バテなどによる食欲不振の時にも積極的に摂りたい成分です。
クエン酸は運動や仕事などの活動前に摂ると、疲労の軽減に役立ちます。ただし、クエン酸は体内にためこんでおけず、余った分は排出されてしまいます。一度にまとめて摂るのではなく、1日3~4回程度に分けて摂るとよいでしょう。
疲労回復に役立つ飲み物
疲れにくいからだづくりに役立つ栄養素は、飲み物からも摂り入れられます。ここでは、疲労回復したい時におすすめの飲み物を紹介します。
お酢ドリンク(ビネガードリンク)
お酢には疲労回復効果が期待できるクエン酸が含まれています。とはいえ、お酢をそのまま飲むのはなかなか厳しいもの。そこでおすすめなのが、お酢ドリンクです。
酢のツンとしたにおいや独特の風味を和らげるため、ほとんどのお酢ドリンクにははちみつやりんご果汁などが添加されています。飲みやすいうえに、からだのエネルギー源となる糖質も一緒に摂れて一石二鳥。さっぱりとした風味のものが多く、リフレッシュドリンクとしてもぴったりです。
豆乳
たんぱく質やビタミンB群、鉄を多く含む豆乳も、疲労回復に役立つ飲み物として知られています。一般的に無調整豆乳の方が含まれるたんぱく質の量は多いといわれていますが、独特な風味が苦手な方も多いかもしれません。無調整豆乳を飲み慣れていない方は、飲みやすく風味付けされた豆乳飲料から取り入れてみましょう。
コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物
コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるカフェインは、集中力を保ち、眠気を抑える成分です。一方で、香りには気分を落ち着かせるリラックス効果もあります。
カフェインを含む飲み物は集中力を高めてもうひとがんばりしたい時にはぴったりですが、摂り過ぎには注意が必要です。とくに、多量のカフェインを含むエナジードリンクは、摂取量に気を付けましょう。
野菜やフルーツを使った飲み物
ビタミンB群やビタミンC、クエン酸などを手軽に摂るには、野菜やフルーツを使った飲み物を取り入れるのもおすすめです。ただし、市販されている野菜やフルーツを使った飲み物には糖質や塩分が多く含まれていることがあるため、摂取量には注意しましょう。
糖質や塩分を多く含まず、疲労回復が期待できる飲み物としては、青汁もおすすめです。青汁は現代人に不足しがちな栄養素を補えたり、食物繊維を豊富に含むため便通の改善を促したりします。野菜不足やお通じの悩みを抱えているなら、青汁を試してみてはいかがでしょうか。
疲れは明日に持ち越さない!飲み物で手軽に疲労回復をサポート
活力を高めるには、疲労を蓄積させないことが大切です。疲れを感じ始めたら、まずは疲労回復が期待できる栄養素を飲み物から摂り入れてみましょう。もちろん、バランスの良い食事と十分な休息もお忘れなく!
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