【医師監修】腸内環境を整える食べ物は?食生活改善のポイントを紹介

【医師監修】腸内環境を整える食べ物は?食生活改善のポイントを紹介

腸内環境が乱れると、おなかだけでなく全身やメンタルにまで影響を及ぼすことをご存じでしょうか?本記事では、食事の面から腸内環境を整える方法を解説し、食生活改善のポイントを紹介します。

腸に良い食べ物を積極的に取り入れて、心身ともに健やかな毎日を手に入れましょう。

  • 腸内環境について
    • 腸内フローラとは?
    • 腸内環境が乱れているサイン
  • 腸内環境を整える食べ物とは?
    • 発酵食品
    • 食物繊維を含む食品
    • オリゴ糖を含む食品
  • 生活習慣を整えて腸内環境を改善
    • 適度な運動をする
    • 良質な睡眠を心がける
  • 腸内環境を整えて、心身ともに健やかな毎日を!

腸内環境について

腸内環境について

腸内環境とは、腸のなかの細菌たちを含む、腸の内部全体の状態のことです。人間の体内にいる細菌の9割は腸に存在し、その数は1,000種類以上、100兆個といわれています。腸内の細菌の種類や数のバランスが崩れると、からだにさまざまな影響が現れます。

腸内フローラとは?

腸内細菌は「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の3種類に大きく分けられています。この腸内にいる多種多様な細菌が密集している様子は、顕微鏡下ではまるでお花畑(フローラ)のように見えます。そのため、腸内細菌叢は「腸内フローラ」と呼ばれているのです。

腸内環境が乱れているサイン

腸内環境が乱れた場合に出現する代表的な症状をご紹介します。

  • 腹痛や便秘・下痢
  • ニキビや肌荒れ、アトピー性皮膚炎などの増悪
  • アレルギー症状
  • 体重増加
  • ストレスを感じやすくなる

上記以外にも、腸内環境が乱れると、免疫力が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなってしまうことも。また精神面ではイライラしやすくなったり、不安になりやすくなったりするという症状も知られています。腸内環境は消化器系だけでなく、全身、そしてメンタルにまで影響を及ぼすのです。

腸内環境を整える食べ物とは?

腸内環境を整える食べ物とは?

腸内環境を整えるには、悪玉菌より善玉菌が優位になるような食事を摂るのがポイントです。善玉菌のはたらきを活発にするには、次の2種類の食べ物を摂取するとよいとされています。

  • プロバイオティクス
  • プレバイオティクス

プロバイオティクスとは、善玉菌を含む食べ物のことです。一方、プレバイオティクスとは善玉菌のエサになり、増殖を促す食べ物です。

ただし、プロバイオティクスやプレバイオティクスの過度な摂取は、かえって腸内の細菌のバランスを崩す原因になってしまうことも。腸内環境を整える取り組み、いわゆる「腸活」のためには、悪玉菌を増やしやすい動物性たんぱく質や食品添加物が多く含まれる加工食品を控えつつ、意識的に善玉菌を活発にさせる食事をバランスよく摂ることが大切です。

ここからは、腸内環境を整えるために積極的に摂りたい食べ物を紹介します。

発酵食品

発酵食品はプロバイオティクスであり、プレバイオティクスでもある、腸活には欠かせない食べ物です。腸の中で悪玉菌の増殖を抑制するはたらきを持つため、意識的に摂ることで腸内環境の改善が期待できます。

代表的な発酵食品としては、ヨーグルトや乳酸菌飲料、チーズ、納豆、キムチ、漬物などが挙げられます。腸に届くまでに死滅してしまった善玉菌も、プレバイオティクスとしてほかの善玉菌のエサとなり、そのはたらきをサポートします。

関連記事:乳酸菌のはたらきとは?乳酸菌を多く含む食品や注意点も紹介します

食物繊維を含む食品

食物繊維は、善玉菌のエサとなるプレバイオティクスです。野菜類をはじめ、キノコや豆類、ひじき、玄米、大麦などに多く含まれています。食物繊維は便の量を増やして便意を感じやすくさせたり、便通を良くしたりする効果もあるため、腸内環境だけでなく便秘の改善も期待できます。

オリゴ糖を含む食品

たまねぎやごぼうなどの根菜類、ねぎやにんにくなどの香味野菜、アスパラガス、大豆、バナナなどに多く含まれているオリゴ糖も、食物繊維と同じくプレバイオティクスです。オリゴ糖には善玉菌の増殖をサポートして、腸内のバランスを保つはたらきがあります。

なお、オリゴ糖には消化されてエネルギーとなる「消化性」と、そのまま大腸に届く「難消化性」の2種類がありますが、一般的に整腸作用や善玉菌をサポートするはたらきがあるのは「難消化性」のオリゴ糖です。

生活習慣を整えて腸内環境を改善

生活習慣を整えて腸内環境を改善

腸内環境を整えるには、食事だけではなく、普段の生活の見直しも大切です。ここからは腸活のために取り入れていただきたい生活習慣のポイントを解説します。

適度な運動をする

腸は脳や自律神経と深く関わっています。ストレスや疲労、血行不良などを感じると、おなかの動きが悪くなることがあるのはそのためです。

適度な運動を生活の中に取り入れて、全身の血液の流れをよくすると、ストレス発散や自律神経のバランスが保たれ、結果として腸内環境の維持や改善につながります。

日頃あまり運動する習慣がない場合は、ウォーキングやストレッチといった軽い運動から始めてみましょう。体力に自信のない方がいきなり激しい運動をすると、余計にからだにストレスがかかってしまうおそれもあるため、ご自身のその日の体調と相談しながら取り入れてみてください。

良質な睡眠を心がける

十分な睡眠時間を確保して脳をしっかり休ませてあげることで、脳と深い関わりのある腸内環境の改善が見込めます。

まずは、できるだけ毎日の就寝時間を一定に保つことを意識しましょう。起床時に太陽の光を浴びると体内時計が整い、自律神経のバランスも保たれます。

就寝前のスマートフォンやパソコンの使用、アルコール・カフェインの摂取は、睡眠の質を低下させてしまうため避けましょう。リラックスした状態で入眠できるように、枕や布団などの寝具、照明などの環境を見直すこともおすすめです。

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腸内環境を整えて、心身ともに健やかな毎日を!

腸内の細菌のバランスは、消化器官だけでなく全身に影響を及ぼします。腸内環境の乱れは、ストレスや不眠、肌荒れ、免疫低下など、さまざまな症状の原因となるため要注意です。

今回紹介した発酵食品や食物繊維、オリゴ糖を意識的に食事に取り入れ、生活習慣も見直して、腸内環境の改善に努めましょう。

監修者写真

監修者
久高将太 先生

琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科に所属。内科専門医、産業医、内分泌代謝・糖尿病内科専門医。

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