胃がムカムカする原因とは?
胃がムカムカする場合は、何らかの原因で胃の働きに負荷がかかっていると考えられます。胃がムカムカする原因の例を紹介します。
食べ過ぎ
普段よりも食べ過ぎたり、脂っこいものを食べた後に胃のあたりがムカムカする場合は、食べた物がスムーズに消化されず胃もたれを起こしている可能性があります。通常、食べた物は一時的に胃に蓄えられた後、胃液の働きによって消化され、小腸で吸収されますが、食べ過ぎると食べた物が胃に留まる時間が長くなり、胃もたれを起こしてしまうのです。特に、脂肪分が多く含まれる食べ物は消化に時間がかかるため、食べ過ぎると胃のあたりが重く感じたり、ムカムカとした不快感を覚えたりしやすくなります。
加齢
若い頃と比べて胃がムカムカすることが増えたという場合には、加齢による唾液の減少や、胃の蠕動運動(食べたものの消化を助け、胃から十二指腸へ送るための収縮)の低下により、胃もたれが起きやすくなっていることが考えられます。食事の内容が脂っこいものや、消化に時間がかかる繊維質のものに偏らないよう気をつけ、ゆっくりよく噛んでから飲みこむことを意識しましょう。
生活習慣
加齢と同様に、運動不足も蠕動運動を低下させることが知られています。また、胃に負担をかける喫煙や、自律神経のバランスの乱れにつながる睡眠不足も胃もたれの原因に。胃がムカムカする人は食事以外の生活習慣も見直してみましょう。
ホルモンバランスのゆらぎ
女性の場合は月経周期の影響で、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し、ホルモンバランスがゆらいで胃がムカムカするケースもあります。また、女性ホルモンの分泌が低下する更年期には、自律神経の働きが乱れることで唾液の分泌量が減少し、消化能力が低下して胃もたれが起きやすくなるとも考えられています。
妊娠中の女性の場合は、つわりの一症状として胃もたれや吐き気などが現れることがあります。
ストレス
胃や腸など、消化器官の働きには自律神経が深く関わっています。過度なストレスにより自律神経のバランスが崩れると、消化機能が低下し、胃がムカムカすることも。
普段と同じ食事内容でも、疲れが溜まっている時や強くストレスを感じている時は胃もたれを起こしやすくなると考えられています。
病気
風邪やインフルエンザなどの感染症の初期症状として胃のムカつきが見られるケースもあります。胃の違和感とともに発熱がある場合は医療機関を受診して療養に努めましょう。
また、機能性ディスペプシア、逆流性食道炎、イレウス(腸閉塞)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、虫垂炎(いわゆる盲腸)、循環器疾患により、胃の不調が起きることもあります。
機能性ディスペプシア | 食事するとすぐ飽満感を覚える、胃痛、吐き気 |
逆流性食道炎 | 胸やけ、胃もたれ、げっぷ、食事や唾液の飲み込みにくさ |
イレウス(腸閉塞) | 激しい腹痛、腹部膨満感、胃もたれ、便が出にくい |
胃潰瘍/十二指腸潰瘍 | みぞおち付近の痛み、吐き気、嘔吐、胃もたれ、胸やけ、げっぷ |
虫垂炎 | 初期は胃もたれ感、進行すると右下腹部に痛み |
循環器疾患 | 急に気分が悪くなる、胃もたれ、吐き気、みぞおち付近の痛み |
このように「胃がムカムカする」と感じる要因は様々です。胃がんや胃潰瘍の一因となるピロリ菌の感染でも胃もたれのような症状が現れるため、食事の量や内容に関係なく胃に不快感を覚える場合は、早期に内科や消化器内科、消化器外科で検査を受けることをおすすめします。