【管理栄養士監修】理想のPFCバランスや食事とは?

【管理栄養士監修】理想のPFCバランスや食事とは?

「健康のために食事を見直したい」「自分にあった食事バランスを知りたい」という人は多いのではないでしょうか。

健康のために食事を見直している人の中には、タンパク質や脂質、炭水化物のバランスを意識している人もいるでしょう。そこで食事バランスの指標として知っておきたいのが、「PFCバランス」です。

PFCバランスとは、健康的な食生活を送るために必要な三大栄養素「タンパク質・脂質・炭水化物のバランス」のこと。このバランスを意識して食事を摂ることができれば、健康的な体づくりをサポートできます。

今回は、健康的な食事に欠かせないPFCのバランスについてご紹介します。
各種栄養素の摂取不足を回避し、生活習慣病を予防するために、PFCバランスの整った食生活を心がけましょう。

※「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より生活習慣病やその重症化を予防する目的で目標値が新たに設定され、名称が「エネルギー産生栄養素バランス」に変更されていますが、本記事では「PFCバランス」表記にて解説いたします

  • PFCバランスとは
    • タンパク質(Protein)
    • 脂質(Fat)
    • 炭水化物(Carbohydrate)
  • 理想のPFCバランスとは
    • PFCバランスが崩れるとどうなるのか
  • PFCバランスの計算方法
    • 各種栄養素の計算式
  • PFCバランスを整えるために必要なこと
    • 家庭での食事のポイント
    • 外食時のポイント
    • コンビニやスーパーで商品を選ぶ際のポイント
  • PFCバランスの整った食生活で、健康的な毎日を目指しましょう
 

PFCバランスとは

PFCバランスとは

PFCバランスは、健康に良い食生活の指標として使われています。PFCとはProtein(タンパク質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)の頭文字のことで、エネルギーを産生する栄養素及びこれら栄養素の構成成分である各種栄養素の摂取不足を回避するとともに、生活習慣病の発症予防と重症化予防を目的とするものです。

3つの栄養素について、それぞれの働きを見ていきましょう。

タンパク質(Protein)

タンパク質は体を構成する成分の中で水分の次に多い(水分60%、タンパク質15~20%)栄養素です。筋肉や臓器、皮膚や毛髪、体内ホルモンや酵素などの構成成分で、生命の維持に欠かせません。

タンパク質は、主にアミノ酸によって構成されます。中でも健康的な体づくりに重要なアミノ酸は20種類あり、それぞれが目的に合わせて結合し、複数種類のタンパク質となります。同じタンパク質でも、皮膚や毛髪などの形が異なるのは、このアミノ酸の組み合わせによるものです。

また20種類のうち、体内で作れない9種類のアミノ酸は「必須アミノ酸」と呼ばれ、健康維持のために欠かせない栄養素です。必須アミノ酸は食事で摂取する必要があるため、タンパク質が豊富に含まれる肉や魚、卵や乳製品、豆類などを積極的に摂りましょう。

脂質(Fat)

脂質は細胞膜やホルモンの主要な構成成分です。炭水化物やタンパク質は1gあたり4kcalのエネルギーを持ちますが、脂質は1gあたり9kcalと倍以上のエネルギーを持つため、効率の良いエネルギー源として毎日欠かすことなく摂る必要があります。

炭水化物(Carbohydrate)

炭水化物は1日のエネルギー量の50~60%を占め、消化管から吸収されエネルギー源となる糖質と、体内では消化されない食物繊維に分けられます。糖質は1gあたり4kcalのエネルギーを持ち、運動や脳のエネルギー源となります。

一方、食物繊維は小腸で消化されずに大腸まで達し、便秘の予防や血糖値上昇の抑制、コレステロール濃度の低下をサポートします。18~64歳における食物繊維の摂取目標量は、1日あたり男性21g以上、女性18g以上となっています。

参考:厚生労働省_e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」

理想のPFCバランスとは

理想のPFCバランスとは

PFCバランスは健康的な体づくりに必要な食生活の指標であるため、理想のPFCバランスを知ることでエネルギーを産生する栄養素と、この栄養素の構成成分である各種栄養素の摂取不足を防ぐことができます。理想的なバランスは、性別や年代によって変わりますが、平均するとタンパク質15%、脂質25%、炭水化物60%です。

食品によって含まれる栄養素は異なるため、肉だけではなく魚も摂ったり、炭水化物の糖質に偏るのではなく野菜に含まれる食物繊維も摂り入れたり、米などの主食、肉や魚などの主菜、野菜などの副菜をバランスよく摂取する必要があります。

参考:日本人の食事摂取基準2020

PFCバランスが崩れるとどうなるのか

仕事が忙しく食生活が乱れたり、無理なダイエットによってPFCバランスが崩れたりすると、日々の活動に必要な栄養素を補えなくなり内臓機能の低下や体の不調につながります。

糖質もしくは脂質いずれかの摂取量を減らすダイエット法や、体型を気にしてタンパク質を中心とするトレーニング食を取り入れるなど、特定の栄養素を増減する取り組みはPFCバランスが崩れる原因となる恐れがあります。

アスリートなどは大会に向けて結果を出すために一時的にタンパク質の摂取量を多くして体づくりを行うといった食事法を取り入れることもありますが、炭水化物や脂質の量も調整し、PFCバランスが崩れないようにしています。

外食の際は比較的PFCバランスを意識しやすい定食メニューを選んだり、ダイエットや運動を行う際も栄養素が偏らないよう注意したりしてPFCバランスを整えましょう。

PFCバランスの計算方法

食事管理を行うために、PFCバランスを自分で計算したいという人も多いのではないでしょうか。PFCバランスは計算式を使って求めることができます。

タンパク質、脂質、炭水化物は1gあたりのエネルギー量が異なり、タンパク質と炭水化物は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalです。

食品に含まれる各種栄養素は、下記の文部科学省「食品成分データベース」より確認できます。ぜひ参考にしてみてください。

参考:文部科学省「食品成分データベース」

各種栄養素の計算式

PFCバランスは以下で計算できます。

■タンパク質(%)
タンパク質 [g] ×4[kcal] ÷ 全体のエネルギー [kcal]×100

■脂質(%)
脂質 [g] ×9[kcal] ÷ 全体のエネルギー [kcal]×100

■炭水化物(%)
炭水化物 [g] ×4[kcal] ÷ 全体のエネルギー [kcal]×100

エネルギーは性別や年齢、スポーツ選手や妊婦など生活状況によって変わります。必要エネルギー量は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」から確認できます。

(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 P84. 参考表2 推定エネルギー必要量(kcal/日))

 

PFCバランスを整えるために必要なこと

PFCバランスを整えるために必要なこと

日々忙しく過ごす中でPFCバランスを整えようといっても、何から取り組めば良いか迷う人も多いのではないでしょうか。管理栄養士として今まで特定保健指導等で500名以上の栄養指導を行ってきた経験から、日々取り入れやすい食事のポイントをご紹介します。

家庭での食事のポイント

自炊の場合は、米やパンなどの主食、肉や魚、卵や豆腐などの大豆製品を使った主菜、野菜や海藻などの副菜が揃った食事を意識することでPFCバランスが整いやすくなります。主食・主菜・副菜を揃えることが難しい場合は、スープや鍋などで野菜やタンパク質を一度に摂れるメニューもおすすめです。

特に魚や大豆製品、野菜が不足する場合が多いため、手軽に取り入れることができる食材を常備しておくと忙しい日々の中でもPFCバランスを整えやすくなります。例えば魚であればツナ缶や鯖缶など、開けるだけで食べられる缶詰類、大豆製品は納豆や豆腐、野菜は調理が難しい場合、栄養素は生野菜よりも劣りますがカット野菜や冷凍野菜を活用すると良いでしょう。

外食時のポイント

外食の際は、麺類や丼物はPFCバランスが炭水化物に大きく偏るため避けたほうが良いですが、どうしても食べたい場合は麺や米の量は少なめにしたり、比較的低糖質なメニューを選んだりすると良いでしょう。炭水化物・タンパク質・脂質のバランスを整えやすい定食メニューのあるお店がおすすめです。定食メニューの中では、野菜炒めや魚の定食、汁物で野菜がたっぷり摂れるものを選びましょう。

定食を選んだとしても、揚げ物を選ぶと脂質に偏ってしまうため注意が必要です。最近では健康をコンセプトにしたお店も多いため、野菜や魚などのメニューが豊富なお店を選ぶとPFCバランスを意識したメニューを選びやすくなります。

一方で、せっかくの外食時には好きなものを食べたいですよね。
本来は食事毎に気をつけたいところですが、PFCバランスは1日の中での必要なエネルギー量に対するタンパク質、脂質、炭水化物のバランスです。お昼をしっかり食べた場合は、朝や夜の食事に気をつけて偏りのない食事をとるようにしましょう。

コンビニやスーパーで商品を選ぶ際のポイント

仕事で忙しく、自炊する時間が取れない状況だとコンビニやスーパーのお弁当や惣菜で食事を済ませる人もいるのではないでしょうか。コンビニやスーパーでも、PFCバランスを意識した商品選びは可能です。手軽に購入できるおすすめの組み合わせをご紹介します。

(40代男性、デスクワーク程度の身体活動レベルの場合)

① おにぎり1個(昆布や梅など脂質が多くない具材)+ゆで卵1個+焼き鳥2本(もも)+サラダ120g(レタスなどの葉野菜中心のもの・和風ドレッシング1袋25ml)

② おにぎり1個(昆布や梅など脂質が多くない具材)+豚汁(即席)1カップ+焼き鯖1切れ(80g)

③ (時間がない場合)おにぎり1個(昆布や梅など脂質が多くない具材)+野菜ジュース200ml(100%のもの)+サラダチキン(100g)

最近は管理栄養士監修などのお弁当もあるので、検討してみましょう。

自炊だけではなく外食やコンビニでの食事のポイントをお伝えしましたが、毎日PFCバランスの計算をすることは難しく、忙しい日々の生活の中で完璧にバランスの整った食事を意識することは困難です。

その場合はサプリメントなどの健康食品で日々の食事の中で足りない栄養素を補うことができます。

健康食品も上手く活用してPFCバランスを整え、健康的な体づくりを行いましょう。

PFCバランスの整った食生活で、健康的な毎日を目指しましょう

日々PFCバランスを意識した食生活を送ることで、エネルギー源や体の構成成分となるタンパク質、脂質、炭水化物を過不足なく摂ることができます。一方、PFCバランスの整った食事が大事と分かっていても、意識した食生活を毎日送ることは難しいものです。

記事内の食事のポイントを意識した上で、サプリメントなども上手く取り入れて足りない栄養素を補い、健康を維持しましょう。

またライフスタイルや性別、年齢によって必要なエネルギー量は変わるため、ご自身に合ったバランスを計算式で出してみるのも良いかもしれないですね。

PFCバランスは以下で計算できます。

■タンパク質(%)
タンパク質 [g] ×4[kcal] ÷ 全体のエネルギー [kcal]×100

■脂質(%)
脂質 [g] ×9[kcal] ÷ 全体のエネルギー [kcal]×100

■炭水化物(%)
炭水化物 [g] ×4[kcal] ÷ 全体のエネルギー [kcal]×100

PFCバランスの整った食生活を心がけ、健康的な毎日を目指しましょう。

監修者写真

執筆者
健康食品専門セールスライター 中道麻智子

管理栄養士。妊娠出産を機にライターとしての活動を開始。ライターとして活動をする中、世の中に間違った健康情報が出回っていることを改めて感じ、正しい健康情報を伝えつつ良い商品を広めたいと健康に関わる法律とセールスライティングを学び始める。誇大な表現で商品をアピールするのではなく、ルール内で商品の魅力を100%伝えきり、必要な人に必要な商品を届けたいという想いで日々広告のライティングを行っている。夢はまだ消費者に届いていない想いのこもった商品の売上に貢献し、多くの方に届けて笑顔をつくること。

「【管理栄養士監修】理想のPFCバランスや食事とは?」をシェアしませんか?

すこやかナビ一覧へ